― ふるさと ―


★ あわだち草丈高くはびこる炭住に錆びつきし鍋ひとつ転がる

★ 丈競うあわだち草の黄に埋もれ炭鉱社宅の屋根のみ見ゆる

★ 枯れてなおしかと根付けるあわだち草の茎を揺らして野分吹き過ぐ

★ 元朝の人影見えぬ潮土手に白き煙の低く流るる

★ 潮土手の白き煙は雨の中舫いし漁船に向いて流る

★ 坑内の仕事に慣れしと言う甥の作業着は黒く炭塵に染む

★ 廃坑に寂るる街の午後10時告げて響けり「埴生の宿」の

★ 閉ざされて久しき実家に白萩の花咲き乱る雨に濡れつつ

  
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